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膝枕交換

written by 剛久




「なあ、あゆ……?」
「ん――なに、祐一君」
「どうも俺には納得いかないんだが」
「え、どうして?」
「普通、男はしないと思うぞ。 ――膝枕は」
「うぐぅ、そうかなぁ……。 でも、順番だって言ったよ、さっき。 ボクもう足痛いし」
「いやまあ、それは寝てしまった俺が悪いんだけどさ。 だけど、男なんかに膝枕してもらって嬉しいか?」
「うん、だって祐一君の匂いとか、温もりとか……そういうの、近くで感じられるから」
「――別に、それだったらあゆが膝枕してたって良いだろうし、ぶっちゃけ膝枕じゃなくても良いんじゃないか?」
「うぐ……で、でも、祐一君だって、ボクに膝枕されて嬉しかったでしょ?」
「お、自信過剰だな、あゆ」
「えっ、あ、ち、ちがう、違うよっ! そういう意味で言ったんじゃ」
「冗談、冗談だって。 でも、そっか、あゆも俺に膝枕されて嬉しいわけだ」
「うん……嬉しい。 祐一君と一緒に居られるの、ボク嬉しいよ」
「……そこで素で返すかな」
「えへへ……ボクだって、成長するんだよ」
「もっと別の場所が成長して欲しいところだが」
「うぐぅっ、祐一君!」
「はは、まだ修行が足りないな。
――でもま、あゆが嬉しいんなら、別にいいか、膝枕」
「うん。 ……じゃあ、ボクも寝ちゃおっかな、祐一君みたく」
「足が疲れるから嫌だ――と思ったけど、あゆの寝顔が見れるんならまあいいか」
「うぐぅ、ちょっと恥ずかしいよ……」
「気にするな。 それにさっきだって俺の寝顔見たんだろ? 膝枕交換するなら、一緒に寝顔も交換だ」
「うん……じゃ、そうする。 おやすみ、祐一君」
「おやすみ、あゆ」


- Fin -


update:03/04/20
last update:'07/08/21 06:42:42
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